BLOG

ブログ

― 観光者・事業者・海外在住者が今すぐ知るべき最新ルール ―

先日、ドバイ旅行したいなぁ〜と思って調べていたら。
びっくりするお知らせを聞きました。

「ドバイ(UAE)でPR投稿すると違法になる」
「最大100万AEDの罰金」

これは何かというと、2026年2月1日から、
UAE国内で「広告コンテンツ」を発信する人に
Advertiser Permit(広告許可)が求められる運用が強化されたということです。

しかも対象は「有償案件」だけではなく、
無償提供(ギフティング)や無料紹介など
「対価がなくても広告」と判断され得る点が重要です。

私のお客様も海外をよく旅している方が多いので、
ドバイを訪れている方もたくさんいらっしゃいます。
知らずに投稿して、違法だとか罰金だとか言われないように、
この記事では、公式情報をベースに

  • どの国・どの行為が対象か
  • 観光者・事業者・海外在住者ごとの正しい対応
  • やってはいけない投稿例
  • 企業が契約で守るべきポイント

を、わかりやすくまとめました。


1. 規制の対象国はどこ?→ UAE「全土」が対象

今回の規制はドバイ単独ではなく、UAE全体に適用されます。
対象となる首長国は以下の7つすべてです。

  • ドバイ(Dubai)
  • アブダビ(Abu Dhabi)
  • シャルジャ(Sharjah)
  • アジュマーン(Ajman)
  • ウム・アル=カイワイン(Umm Al Quwain)
  • ラス・アル=ハイマ(Ras Al Khaimah)
  • フジャイラ(Fujairah)

👉 UAE国内のどこであっても、同一ルール
👉 「ドバイだけ気をつければいい」は誤りです

私はこれまで「ウズベキスタン」に何度か訪れていて、
ドバイも近いと言えば近いので、もしかして?と、ちょっとドキッとしました。
ですが、対象国をしっかり把握しておけば、安心ですね。

↑こちらはウズベキスタンの風景です


2. 何が規制される?判断軸は「広告かどうか」

UAE Media Councilの公式ガイドでは、次のように整理されています。

  • 有償・無償を問わず
  • UAE国内から
  • 広告・宣伝を目的としたコンテンツ
  • SNSやデジタル媒体で発信する行為

これらには、Advertiser Permit(広告許可)が必要になります。

広告と判断されやすい要素

  • 店舗名・サービス名の明示+おすすめ表現
  • 予約・購入・DM誘導
  • 割引・キャンペーン・価格表示
  • 無償提供(ギフティング)を受けた紹介
  • アフィリエイト・成果報酬リンク

3. よくある誤解:「自分の会社の告知も全部違法?」

SNS上の注意喚起で特に多いのが、
「自分の会社の告知ですら『広告』だから違法」という断定です。

ここは慎重に整理しておく必要があります。

公式ガイドでは、Advertiser Permit(広告許可)が必要なのは、
基本的に「広告コンテンツを制作・発信する行為」とされています。
一方で、一定の免除(Exemptions)も示されており、たとえば

  • 本人(または本人が所有する会社)の商品・サービスを、
    個人アカウントで紹介するケース

は、免除に該当しうる、という趣旨の記載があります。

つまり、「自社告知=即アウト」とは言い切れません、ということなんですが、

ただし、ここがややこしいポイントで、
免除がある=何をしても安全ではありません。
投稿が「広告っぽい形」になるほど、広告として判断されやすくなります。

特に注意したいのは、次のような「集客の導線」が入る場合です。

  • 価格・割引・キャンペーンの提示
  • 「購入はこちら」「予約はこちら」などのリンク誘導
  • 「DMください」「お問い合わせはDM」などの受付導線

こうした集客色が強い表現や導線などの要素が増えるほど、
単なる告知ではなく「広告」に見えやすくなります。

さらに、第三者の商品・サービスを紹介する場合
(有償案件だけでなく、ギフティングや無料提供も含む)は、
免除の枠から外れる可能性が高く、許可の要否が一気にシビアになります。

そして、制度施行直後は「どこまでOKで、どこからNGか」の運用実例が少なく、
判断がブレやすい時期でもあります。

結論としては、自社告知の場合でも
投稿が「広告の体裁」になっていないかという視点で慎重に文章内容を判断し、
とにかく抵触しそうな表現は避けた方が良いです。


4. 日本人の観光者向け:どう行動すべき?

結論

観光そのものは問題ありません。
旅行投稿はOK。
ただし「PRっぽさ」が入った瞬間に難易度が上がります。
滞在中の「PR投稿」は対象になり得ます。

日本から観光でUAE(ドバイ等)に行く方が増える中で、
「旅行中の投稿は全部ダメ?」と不安になる方もいます。

結論から言えば、旅行の思い出を日記として投稿する行為そのものは、
一般的に問題になりにくいです。
風景、文化体験、食事の感想など、広告意図がなく、
購入・予約へ誘導する要素がない投稿は、
通常「広告コンテンツ」とは異なるからです。

ただし、UAE滞在中に注意すべきなのは、
投稿が「PR投稿」に見える瞬間です。
たとえば、ホテルやレストラン、サロンなどから
無償提供・割引・招待があった場合、それを紹介する投稿は
「対価の有無を問わず広告」と解釈される可能性が高くなります。

また「おすすめ」「絶対行って」「今ならお得」「予約はDM」など、
人を行動させる文脈が入るほど広告性が強まります。

観光者として最も安全なのは、
滞在中は「紹介」よりも「体験の描写」に寄せ、
店名・価格・導線を控えることです。

もしPR案件として撮影や投稿を行うなら、
観光者であっても規制対象になり得るため、
許可や現地の契約条件(広告主側のルール)を
先に確認してから動くのが堅実です。

OKな投稿

  • 風景・文化・体験の感想
  • 日記的な旅行記
  • 商品名や店舗名を強調しない表現

NGになり得る投稿

  • 無償提供を受けたホテル・レストラン紹介
  • 「おすすめ」「予約はこちら」など集客表現
  • 割引・価格・DM誘導

👉 観光中は「広告に見える投稿をしない」
これが最も安全です。

旅行系YouTuberは要注意?ドバイのホテル紹介はどこまでOK?

このSNS広告規制を受け、
「旅行系YouTuberはもうドバイを紹介できないの?」と
不安に感じている方も多いかもしれません。

結論から言うと、日本に帰国した後、
日本から日本人向けにドバイのホテルやサービスを紹介する動画は、
原則として問題ありません

今回の規制は、国籍やYouTuberかどうかではなく、
UAE国内から広告・PR行為を行っているかが判断基準です。

そのため、帰国後に編集・投稿した旅行レビューや体験談は、
通常は規制の直接対象外と考えられます。

  • 現地で「PRとしてお願いします」と依頼を受けた
  • 無償宿泊・報酬前提の撮影だった

この場合、

  • 投稿は日本からでも
  • 広告行為の一部がUAE国内で成立している
    と見なされる余地があります。

UAE滞在中にPR案件として撮影していた場合や、
無償宿泊・報酬を受けた前提で
明確な集客導線(予約リンク、割引案内など)を入れると、
広告と判断される可能性があります。

また、観光中にその場でPR投稿を行うのもリスクが高まります。

ですので、旅行系YouTuberとしては、
「帰国後に投稿」「体験談ベース」「日本人向け構成」を意識して、
ドバイの魅力を発信した方が良いですね。

↑こちらはウズベキスタンです


5. ドバイ拠点の事業者向け:個人投稿も「企業の広告」として見られる前提で設計する

原則

UAE在住・拠点事業者

必須となるもの

  • Advertiser Permit(広告許可)
  • 事業形態に応じたTrade License
  • SNSプロフィールへのPermit番号表示

実務対応のポイント

  • 社員・外注・インフルエンサーの投稿も管理対象
  • 無許可PRは「広告主側」も責任を問われる可能性
  • 契約書でルールを明文化する(後述)

UAE(ドバイ含む)に拠点を持つ事業者にとって、
この規制は「気をつければいい話」ではなく、
広告運用の前提が変わる話です。

なぜなら、企業アカウントの投稿だけでなく、
社員・外注・紹介者・インフルエンサーなど、
周辺の投稿が結果として企業の広告活動と結びつくからです。

まず押さえるべきは、Advertiser Permitです。
Permitは「SNS広告を含む広告活動」に関する許可として扱われ、
許可番号の表示など運用要件も示されています。

さらに事業として活動する場合、
Trade Licenseなど事業側の整備とセットで求められる場面が出てきます。

実務では、
①誰が投稿するか(社内・外注・顧客・インフルエンサー)
②何を広告とみなすか(導線・割引・予約・成果報酬)
③どの表現を禁止/要事前承認にするか
社内ルールとして文章化して、社内で周知徹底しておいた方が良いです。

さらに、案件を依頼する場合は
「許可の有無」
「滞在中の投稿禁止」
「価格・割引・リンクの制限」
「違反時の責任分担」
などを契約に落とし込んでおいた方が良いです。

企業側が「投稿者任せ」にすると、
最終的に広告主としてリスクを背負う可能性があるため、
ここは必ず仕組みで守るべきポイントです。


6. 海外在住インフルエンサー向け:住んでいる国ではなく「UAEにいる時・UAE向けの広告か」で判断する

原則

UAEに滞在していなければ、直接対象外です。

ただし注意が必要なケース

  • UAE滞在中にPR投稿
  • UAE企業・サービスの案件
  • UAE市場向けの明確な集客(UAE価格・連絡先)

→「住んでいる国」ではなく
「どこで広告行為をしているか」が判断基準です。

スイスなど海外在住の方が「自分も対象?」と心配するケースは多いですが、
判断軸は「居住国」ではありません。

ポイントは、UAE国内で広告行為を行っているか
そしてUAE市場向けの広告として成立しているかです。

海外在住者が自国から日常発信をしているだけなら、
今回のUAE規制の直接対象にはなりにくいのが一般的な理解です。

一方で、海外在住者でも対象になり得る典型は「UAE滞在中のPR」です。

出張・旅行でドバイに行き、
現地のホテル、レストラン、ツアー、不動産、サロン等を、
対価の有無を問わず紹介する行為は、
観光者と同様に広告と見られる可能性が高まります。

さらに、UAE企業の案件を 海外から投稿する場合も注意が必要です。
たとえ投稿場所が海外でも、広告主側の遵守や契約条件により、
許可提示や表現制限を求められることがあります。

海外在住インフルエンサーが取るべき現実的な対策は、
①UAE滞在中はPR投稿を避ける
②UAE案件は契約で許可・責任・表現を明確化する
③導線(リンク、DM誘導、価格・割引)を慎重に扱う
の3点です。


7. 観光・出張時にやってはいけない投稿例:NGは「投稿内容」より「導線」と「提供の有無」

「結局、何を書いたらアウトなの?」と思ってしまいますよね。
その場合は、投稿パターンで答えるのが一番わかりやすいです。

まず危険度が上がるのは、
店名や施設名を出すこと自体よりも、
行動を促す導線が入った時です。

たとえば「ここ最高!行くべき!」に加えて、
予約方法(DM、リンク)、価格、割引、キャンペーン、クーポンが載ると、
広告としての完成度が一気に上がります。

次に重要なのが、無償提供・割引・招待・ギフティングなど、
何らかの便益があった場合です。
この場合、投稿がレビューのつもりでも、広告と判断されやすくなります。

具体例としては、
①「今なら割引」「◯日まで」「予約はこちら」など「販売文脈」
②「DMください」「紹介します」など「受付導線」
③アフィリエイトリンクや紹介コードなど「成果報酬」
無償提供があったのに通常投稿と同じトーンで紹介する
が代表的なNGです。

逆に安全なのは、
風景や文化、体験の描写中心で、購入・予約へ誘導しない日記投稿です。
迷ったら「店名+導線+便益」の3点が揃っていないかをセルフチェックし、
揃うなら投稿を止める(または事前確認)という運用が安全です。

NGパターン
❌「このホテル最高!今なら割引あり」
❌「このレストランおすすめ!DMで予約してね」
❌ 無償提供を受けたのにPR表記なし
❌ アフィリエイトリンク付き紹介

✅ 安全なのは
「景色が美しい」「文化が印象的だった」など
広告要素のない投稿


8. 企業側が注意すべき契約文言:投稿者任せをやめ、ルールを「文章化」して守る

UAE関連のPR案件で最も危ないのは、
企業が「投稿者が勝手にやってくれるだろう」と丸投げしてしまうことです。

広告規制は、投稿者だけでなく
広告主側も巻き込まれる可能性があるため、
企業は必ず契約で守るべきラインを作っておく必要があります。

最低限入れたいのは、
(1)法令遵守
(2)UAE滞在中の投稿条件
(3)許可の要否と提示
(4)表現と導線の制限
(5)違反時の責任分担
の5点です。

たとえば
「UAEの広告・メディア関連法令および当局ガイドラインを遵守する」
「UAE国内滞在中は本件の広告・PR投稿を行わない(許可取得時を除く)」
「必要な場合、Advertiser Permit番号をプロフィール等に表示し、企業へ証跡を提示する」
「価格・割引・購入誘導・予約リンク・DM誘導は事前承認なしに掲載しない」
「違反時は故意または重大な過失がある当事者が損害を負担する」などです。

これらを契約に落とし込むと、
投稿制作の段階で自然にチェックが働き、事故が激減します。
企業は「炎上後に削除」ではなく、
公開前に防ぐ設計へ移行することが重要です。

👉 投稿者任せにしないことが最大のリスク回避です。


9. まとめ:怖がるより「線引き」を理解し、観光・事業・海外発信の3ルートで運用を分ける

日本にいながら、海外の法令変更を把握するのは
なかなかハードルが高いですよね。

そして、今回のような規制を前にすると、
「もうドバイ関連は投稿しない方がいいのかな…」と不安になりますよね。

でも本質は、「SNSを禁止する」話ではなく、
無許可の広告活動を減らすという方向性です。
だからこそ、必要なのは恐怖ではなく線引きです。

観光者は、滞在中は「紹介」より「体験」に寄せ、
導線と便益(無償提供など)が絡む投稿を避ける。

事業者は、Permitやライセンスの整備だけでなく、
社員・外注・案件投稿を含めた「広告運用ルール」を文章化し、
契約で守る。

海外在住インフルエンサーは、
居住国ではなく「UAE滞在中」「UAE案件」「UAE向け導線」という3点で
リスクが跳ね上がることを理解し、
UAE滞在中のPRを避け、案件は契約で明確化する。

この3ルートに分けて運用すれば、必要以上に萎縮せず、
でも無防備にもならず、現実的に安全な発信ができます。

最後に、必ず一次情報(公式ガイド)を確認し、
状況が変わったら運用も更新する。
この姿勢が、長く安心して活動を続けるためのいちばんの土台になります。

今回、このUAE(ドバイ)を含むSNS広告規制について調べ、
整理して私が感じたのは、
「怖いルールが始まった」というよりも、
これまで曖昧だった「広告と発信の境界線」が、
ようやく言語化されたという印象でした。

SNSは、個人が気軽に世界へ発信できる、とても自由な場所です。
だからこそ、
・これは日常の発信なのか
・それとも誰かのビジネスに利益をもたらす広告なのか
その線引きが、国や文化によって異なるのは自然なことだと思います。

今回のUAEの規制も、「インフルエンサーを取り締まるため」ではなく、
無許可・無責任な広告から、利用者や社会を守るための仕組みとして捉えると、
決して不合理なものではありません。

特に印象的だったのは、
「居住国」ではなく
「どこで広告行為をしているか」
「誰に向けた広告なのか」
が判断軸になっている点です。

これは、これからの時代、
海外に住んでいるかどうか
フォロワーが多いかどうか
インフルエンサーかどうか

といったことではなく、

「発信の責任」そのものが問われる時代に入った
というメッセージだと感じました。

一方で、必要以上に怖がる必要はありません。
この記事で整理してきたように、

  • 観光中は広告に見える投稿をしない
  • 事業として発信するなら、許可と契約で守る
  • 海外在住者は、UAE滞在中・UAE向け案件に注意する

この基本を押さえていれば、
普通に生活し、普通に発信している多くの人にとって、
大きな問題になるケースは限られています。

情報が断片的に広がると、不安だけが先に立ってしまいがちですが、
だからこそ私は、
「正確な情報を、落ち着いて、線引きがわかる形で伝えること」
がとても大切だと感じました。

もしこの記事が、
「何がダメで、何が大丈夫なのか」
「自分はどう行動すればいいのか」
を整理する一助になれば、とても嬉しく思います。

そして今後も、
海外・日本を問わず、安心して発信とビジネスを続けていくために、
私自身も、こうしたルールや変化を丁寧に追い続けていきたいと思います。

執筆者:清水明華 (プロフィールはこちら )

株式会社Infini Innovation代表取締役/ AIとUTAGE自動化のプロ/フリーアナウンサー

「売上=時間の犠牲」から解放され、家族との時間も大切にできる働き方を提案。多くの起業家へ「AIとUTAGEを使って収 益が自然に増えるオートファネル」の構築支援を行っている。これまで多数の受講生に「人生を変える自動化」を提供し、『オンラインでの仕組み構築』分野において信頼と実績を積み重ねている。2024年Ms.EntrepreneurGlobal受賞。海外でもAI×自動化の仕組み構築が評価されている。

関連記事一覧