AIで人をもっと大切にできる会社へ|AIが苦手だった社長さんが作った「ありがとうの木アプリ」
先日、以前AI秘書を導入してくださった企業へ、
メンテナンスに伺いました。
そこで私は、想像していなかったものを見せていただきました。
その会社の社長さんは、
もともとAIが得意だったわけではありません。
むしろ最初は、
「AIって難しそう」
「自分に使いこなせるだろうか」
というところからのスタートでした。
ところが、1ヶ月ぶりにお会いして、
「最近、AIをどんなふうに使っていますか?」
と聞いてみると、驚きました。
なんと、ご自身で
会社に必要なアプリを次々と作っていたんです。
たとえば、
・従業員の勤怠管理アプリ
・経理の入出管理アプリ
・在庫や発注状況を確認するアプリ
など。
これだけでも十分すごいことです。
少し前までAIが苦手だった人が、
「こんなものがあったら仕事が便利になる」
と思ったものを、
自分で形にできるようになっている。
AIによって、経営者自身が
会社の仕組みを作れる時代になったのだと、改めて感じました。
でも、私が一番感動したのは、
そこではありませんでした。
社長が作っていた「ありがとうの木」
社長さんが作ったアプリの中に、
「ありがとうの木」アプリ
というものがありました。
このアプリは、
単なる業務管理ツールではありません。
従業員同士で、
「今日、〇〇さんに助けてもらいました」
「忙しいときにフォローしてくれて、ありがとう」
「いつも周りを気にかけてくれて助かっています」
といった、日頃なかなか口にできない感謝を
投稿できる仕組みになっています。
しかも、他の店舗で働いている人もその投稿を見ることができて、
「いいね」をつけられるようになっていました。

そして、とても素敵だと思ったのが、
その見せ方です。
投稿された一つひとつの「ありがとう」が、
木の葉っぱになるんです。
最初は葉っぱの少ない木でも、
「ありがとう」
が投稿されるたびに、
葉っぱが一枚、また一枚と増えていく。
従業員同士の感謝が増えれば増えるほど、
画面の中の木が 葉っぱでいっぱいになっていく。
私はそれを見たとき、本当に感動しました。

「社長はちゃんとあなたの頑張りを見ている」と伝えたかった
そして、社長さんから「ありがとうの木」アプリを作った理由を聞いて、
私はさらに感動しました。
複数の店舗がある会社では、
社長がすべての店舗にずっといることはできません。
だから、従業員一人ひとりが
日々どんな動きをしているのか、
誰が誰を助けているのか、
どんな小さな気遣いをしているのか。
それを社長自身が直接見ることは、
どうしても難しくなります。
でも、「ありがとうの木」アプリがあれば、
「〇〇さん、昨日△△さんを助けてくれたんだね。
ありがとう。」
と、社長からも伝えることができる。
そのために、この仕組みを作ったのだとおっしゃっていました。
つまり、単に従業員同士で「ありがとう」を
言い合うためだけのアプリではなかったんです。
「あなたが頑張っていることを、社長はちゃんと見ていますよ」
それを従業員一人ひとりに伝えたかった。
離れた店舗で働いていても、
目立つ仕事ではなくても、
誰かをさりげなくフォローしたことも、
忙しい日に仲間を助けたことも、
社長にはちゃんと届いている。
そして、
「いつも自分の活躍を社長が見てくれている」
と従業員に感じてもらいたかったのだそうです。
私はこの話を聞いて、本当に嬉しくなりました。
私は、AIを単に仕事を効率化したり、
売上を上げたりするためだけではなく、
人と人との関係をより良くするために使ってほしいと
思っているからです。
AIを導入したことで、
人とのコミュニケーションが減ってしまうのではなく、
むしろ今まで見えなかった誰かの頑張りが 見えるようになる。
今まで伝えられなかった「ありがとう」が伝わるようになる。
離れた店舗で働いている従業員の活躍を社長が知り、
「ちゃんと見ているよ」
と声をかけられるようになる。
そんなふうに、AIによって
人と人とのつながりが深くなる使い方をしていただけていることが、
私は何より嬉しかったんです。
AIが人の代わりになることばかりが
注目される時代だからこそ、
私は反対に、AIを使うことで
人をもっと大切にできる会社が
増えてほしいと思っています。
効率化によって生まれた時間で、従業員と話す。
仕組みを使って、今まで見えなかった頑張りに気づく。
そして最後は、人が人に、
「ありがとう」
「頑張っているね」
「ちゃんと見ているよ」
と伝える。
人との関わりを減らすためではなく、
人をもっと大切にするためにAIを使う。
私が広げていきたいAI活用は、
まさにこういうものです。
だからこそ、AIが苦手だった社長さんが、
ご自身で「ありがとうの木」アプリを考え、
実際に形にしてくださっていたことが、
本当に嬉しかったです。
AIは「仕事を減らすため」だけのものではない
AIというと、
「業務を効率化する」
「人件費を削減する」
「売上を上げる」
「自分の仕事を楽にする」
という話になりがちです。
もちろん、それもAIの大切な活用方法です。
実際、勤怠管理や在庫管理、経理業務などを効率化できれば、
会社にとって大きなメリットがあります。
でも、AIの可能性はそれだけではないと思っています。
人と人との関係を良くするためにも、
AIやテクノロジーは使える。
「ありがとうの木」アプリを見て、
それを改めて教えてもらった気がしました。
テクノロジーを使って
人との距離を遠ざけるのではなく、
むしろ、今まで見えなかった誰かの頑張りを見えるようにする。
今まで届かなかった「ありがとう」を届くようにする。
経営者が、従業員一人ひとりの活躍に気づけるようにする。
そして、
「ちゃんと見ているよ」
と伝えられるようにする。
これも、AIを会社に取り入れる
大きな意味の一つなのではないでしょうか。
「何が作れるか」より、「何のために作るか」
私はAIの仕事をしていますが、
今回の出来事で、改めて大切にしたいと思ったことがあります。
それは、
AIで何ができるか以上に、
AIを何のために使うのか。
ということです。
AIを使えば、これからもっと
たくさんの仕事が自動化できるようになるでしょう。
アプリを作ることも、
資料を作ることも、
データを分析することも、
今までよりずっと簡単になっていきます。
だからこそ、その先にある「目的」が
ますます大切になると思っています。
ただ儲かればいい。
ただ自分が楽になればいい、ではないんです。
もちろん、利益を出すことも、
経営者の時間を作ることも大切です。
でも、それだけではなく、
「従業員が気持ちよく働ける会社にしたい」
「頑張っている人をちゃんと見つけてあげたい」
「離れた場所で働いている人にも、ちゃんと見ているよと伝えたい」
「ありがとうと言い合える職場にしたい」
そんな思いを実現するためにAIを使うこともできる。
私は、そういうAI活用がもっと増えてほしいと思っています。
AIで時間を作った先に、何をするのか
私自身、AIによる業務自動化をお伝えするとき、
「人の仕事をAIに置き換えること」
そのものをゴールにはしていません。
AIに任せられる仕事はAIに任せる。
仕組みにできる仕事は仕組みにする。
そうすることで、人間にしかできないことに、
もっと時間を使えるようになる。
従業員の話を聞く。
頑張っている人を褒める。
お客様と向き合う。
新しいことを考える。
家族との時間を過ごす。
自分が本当にやりたかった仕事をする。
AIで時間を作ることはゴールではなく、
その時間を何に使うかが大切なのだと思います。
今回の「ありがとうの木」アプリは、
まさにその象徴のように感じました。
AIやアプリによって
社長の代わりに従業員を褒めるのではありません。
AIや仕組みの力で、
今まで社長からは見えなかった従業員の活躍が見えるようになる。
そして最後に、
「ありがとう」
と伝えるのは、人です。
私は、ここがとても大切だと思っています。
AIが苦手だった人だからこそ生まれたアイデア
そして、もう一つ重要なポイントがあります。
この「ありがとうの木」を作った社長さんは、
最初からAIに詳しかったわけではありません。
それでも、
「会社にこんな仕組みがあったらいいな」
という思いを、AIを使って形にできるようになりました。
これからの時代、大切なのは
プログラミングができることだけではありません。
むしろ、
「こんな会社にしたい」
「こんな問題を解決したい」
「こんな人を喜ばせたい」
という発想を持っている人ほど、
AIを面白く使える時代になるのではないでしょうか。
技術から考えるのではなく、想いから考える。
そして、その想いを実現する手段としてAIを使う。
今回、社長さんが作った「ありがとうの木」アプリを見て、
「こういうAI活用を増やしたい」
と、心から思いました。
AIが会社を便利にするだけではなく、
働く人同士の関係を少し良くしたり、
誰かの頑張りに気づけるようにしたり、
今まで言えなかった「ありがとう」が伝わるようになったりする。
そして何より、
「自分の仕事を、ちゃんと見てくれている人がいる」
と思える会社をつくるためにも、AIは使える。
AIによって、人が人を大切にできる時間や
仕組みが増えていく。
私は、そんな未来につながるAI活用を、
これからも伝えていきたいと思っています。
まとめ|AIで増やしたいのは、人を大切にできる時間です
「ありがとうの木」アプリが見せてくれたのは、
AIで仕事を減らすだけではない未来でした。
見えなかった頑張りに気づき、
人が言葉を届けるためにも使えます。
仕組みが代わりに褒めるのではありません。
最後に「見ているよ」「ありがとう」と伝えるのは人なんです。
だからこそ、AIで生まれた時間に意味が生まれます。
大きなアプリをすぐ作らなくても大丈夫です。
今日、誰かの小さな頑張りへ気づき、ひと言伝えることから、
人を大切にする会社は育っていくのだと思います。

執筆者:清水明華 (プロフィールはこちら )
株式会社Infini Innovation代表取締役/ AIとUTAGE自動化のプロ/フリーアナウンサー
「売上=時間の犠牲」から解放され、家族との時間も大切にできる働き方を提案。多くの起業家へ「AIとUTAGEを使って収 益が自然に増えるオートファネル」の構築支援を行っている。これまで多数の受講生に「人生を変える自動化」を提供し、『オンラインでの仕組み構築』分野において信頼と実績を積み重ねている。2024年Ms.EntrepreneurGlobal受賞。海外でもAI×自動化の仕組み構築が評価されている。